◆山頂データ
▲ 富士山 (ふじさん) 3375.6m
◆名山データ :
【日本三名山】 【日本三霊山】 【日本百名山】 【山梨百名山】
【甲信越百名山】
◆歩行時間 : 14時間7分 (休憩120分 / うち9分車道歩き)
◆歩行距離 : 26.5km (GPS調べ)
◆交通 鉄道 : 富士急行大月線 河口湖駅
バス : 富士急山梨バス 御庭停留所、富士山五合目停留所
◆ 1/25000地形図 : 富士吉田、鳴沢、富士山
◆登山コースの状況 :
エクストリーム
◆行程
<登山ルート>(船津口-御中道-お鉢-剣ヶ峰)
林道船津線(1217m点) ~ 林道船津線終点/登山口 ~ 林道東軒線終点(1498m点) ~ 二合目スバルライン交差(1561m点) ~ 三合目 奥庭-船津口登山道分岐 ~ 奥庭荘 ~ 奥庭駐車場 ~ 御庭荘 ~ 御中道 ~ 滑沢 ~ お鉢 ~ 西安河原 ~ 剣ヶ峰
<下山ルート>
剣ヶ峰 ~ 御殿場登下山口山頂 ~ 東安河原(賽ノ河原) ~ 吉田口(須走口)下山道 ~ 八号目下山道分岐(小江戸小屋分岐) ~ 六合目 吉田口-富士スバルライン分岐点 ~ 2305m点 ~ 富士スバルライン五合目
この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50000(地図画像)、
数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。
(承認番号 平25情使、 第329号)
体力
★★★★★ 一合目からの日帰り長アプローチ+道のない砂礫登り。
眺望
★★★☆☆ 素晴らしいが今回の登りでは変化に乏しい。
技術
★★★★★ 崖、砂礫、浮き石の中のルートファインディング。
繁閑
☆☆☆☆☆ 山頂・下山路を除き誰一人として出会わなかった。
総合
★★☆☆☆ 船津口登山道と御中道途中からの直登を組み合わせた。
五合目付近までのアプローチは長く、直登は恐ろしく苦しい。
完全に上級者向けのコース設定となる。
※今回の登りのルートは距離が長い上に、シーズン中でも利用する登山客は皆無。船津口はやや迷う場所があり、滑沢からの登りは足を取られる砂礫が延々と続き苛烈を極める。特に直登部分は登山の条件としてはかなり悪い場所のため、ベテラン以外の立ち入りは控えられたい。
初めて富士山に登ったのが2010年。その後は富士登山の魅力に憑りつかれ、バリエーションに位置づけられる麓からの登頂をするようになり、その難しさからいつか挑戦してみたいと思っていた道がいくつかできました。
船津口からの長い登山ルートと、大沢崩れの岸から山頂までを直登するという極めてハードなバリエーションルート。今回はこの二つを組み合わせて富士山頂を目指しました。
実のところ、このコース設定は2012年の精進口ルート日帰り往復が成功した後に案が出来上がっていて、以下の通り何度かアタックしようとして引き返してきたり、そもそも難易度が高くて登ろうか登らまいか悩みぬいたいわくつきのコースでもあります。
2013年9月11日:河口湖駅から登山口まで徒歩で移動。登山口で簡易テン泊。
翌朝雨天のため引き返し。
2013年9月21日:船津口ルートの途中分岐で2回ほど迷い時間をロス。
二番沢付近から直登しようとするもタイムアップで引き返し。
2016年8月5日:早朝に河口湖駅からタクシーで登山口まで行く予定で行動。
翌朝交渉したタクシー会社から連絡が来ず引き返し。
富士急行線 河口湖駅今回はバイクで登山口まで行かず公共の交通機関を利用しました。現地へは前日の終電で入り、翌早朝にタクシーで登山口へ向かうプラン。
2013年に二度訪れたのですが動物と遭遇することが多く、暗いうちに登山口付近にいるのは危険と判断したためです。
今回から新しい登山靴。いい靴を買ったのに靴のダメージが大きい富士山で下すなんて・・・。
落石が予想される場所を登るのでヘルメットも初登場。ビバーク用の道具やら非常食、水を多めに持って行ったのでちょっと重めの総重量20kg。
これが後々本当に重くてつらかったです。
4:21 林道船津線河口湖駅の近くで朝4時まで待機しタクシーで船津林道のひとつめのゲートまで乗り付けます。たまたまスバルライン五合目まで相乗りしたいハイカーがいたのでここまで2000円で来られました。本来なら4000円くらい掛かるところです。
身支度を整えて出発。
真っ暗ですがここはまだ車道で、数台の車が通り過ぎていきました。車が通ったとなれば動物と遭遇する心配も減るので少し安心です。
4:30 一合目 林道船津線終点突き当りで林道は終点となり車道は左右に分かれます。正面のゲートが船津登山道の入山口であり実質的な一合目。脇の隙間から進入します。
既に空は明るくなりつつありますが登山道はまだまだ薄暗く、ヘッドライトが必須。
4:47 分岐舗装路が崩れたような山道をゆるく登っていくとうっすらと右手に踏み跡が伸びています。左手正面の道の方が正解で、道の形もはっきりしているので間違えにくいですが念のため注意。
どうも先で正しい登山道と合流しているようなのですが荒れも見られるので進入しない方がよいでしょう。
船津登山道はこの他にも踏み跡と見られるような細い道がいくつか見られます。三合目で精進口の登山道と合流するまでは道中に標識もないので予習が必須です。
4:50 特別名勝富士山 石標なおも暗い道を登っていくと初めて人工物らしいものに出会います。「特別名勝富士山」と掘られた石標に木製の祠。船津口で唯一富士信仰の痕跡が残る場所です。
石標の左手にはゲートがあり、しかも登り坂でいかにも登山道のような雰囲気。ですがこちらは間違い。正しいルートは石標の右側です。
3年前に訪れた際はここで道間違いを起こしました。ゲートの先は本来の船津口登山道らしいのですが藪が濃くなり、ザレ場の急登に変わり、おまけに道迷いを食らいそうなコースになっています。
昔は船津口登山道をバスが往来していたので道幅が広く、傾斜も緩いのでどんどん距離を稼いでいきます。
200mほどで伐採地に出ると一気に明るくなりました。
植林帯のような場所に出ると登山道にフェンスが立てられています。このフェンスは比較的新しく、割と最近立てられたようです。
朝焼け。天気になるといいな。
登山道の両脇はお花畑になっています。
今回はカメラの調子が悪くマクロが軒並みだめでしたが、ここではヤマホタルブクロ、アレチマツヨイグサ、ヒヨドリソウなどが咲き乱れているのを確認。秋にはトリカブトなども見られます。
4:58 ゲート(東軒林道)分岐ヘアピンカーブを登っていくと右手にまたゲートが現れます。どうもこのあたりは車が進入してくることがあるようです。
ゲートは通らず左へ。また登山道らしくなってきます。
ゲートの分岐の先、ヘアピンカーブを過ぎると右手にそれらしい分岐が現れますがここも正しい道ではありません。正しい登山道は左手。
ご丁寧にも分岐の木の根元にはこのような杭と赤テープが巻かれていてさも登山道であるかのよう。3年前は木にも赤テープが巻かれていてまんまと騙されました。
5:20 二合目 スバルライン交差正しい道を辿ればスバルラインの高架をくぐります。このあたりが二合目なのですが、それを示す朽ちたバス停の標識の写真を撮るのを忘れていました。本当は左側のもう少し手前に赤茶けた標識が立っています。
さてここまでさして飛ばさずも一時間、なかなかいいタイムです。3年前は飛ばし気味で歩いたのに道迷いで2時間以上掛かっていましたから。今回は余裕を持って大沢崩れまで進めそうだと俄然やる気になりました。
5:23 分岐高架をくぐって少し進むと道は正面と右手に分かれます。正面は旧登山道でルートファインディングが必要な藪道。右手は旧登山バスルートになります。
旧登山道は情報も極端に少なく、かなり迷いやすいとの事なのでおとなしくバスルートを歩くことに。こちらは距離が長くなりますが歩きやすいです。
船津口登山道を通しても二合目~三合目の雰囲気は格別に良く、あちこちに富士原生林の幽玄な姿を見ることができます。
6:02 三合目 精進口登山道合流点距離こそ長いバスルートですが単調な一本道なのでさくさくと距離を稼いで三合目の広場に到着。
今回、迷うポイントは全部把握した上での行動だったので実にスムーズに三合目まで歩いてこられました。20kgの荷物を背負っていますが緩い坂道のおかげで体も慣れてきていい調子です。これは今回こそ上手くいくかも。
次回は五合目付近の奥庭駐車場までを歩きます。
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