▲御春山(おはんなやま) 463.8m
◆歩行時間:1時間21分(休憩5分)
◆1/25000地形図:上野原
◆歩行距離:3.2km(GPS調べ)
◆最寄駅:JR中央本線 四方津駅、富士急山梨バス 大野貯水池停留所
◆行程
バリエーション
南米沢地区 ~ 産護神社 ~ 稜線 ~ 南米沢峠 ~ 御春山山頂 ~ 南米沢峠 ~ 南米沢地区入山口
体力
★★★☆☆ 傾斜は緩いが猛烈な薮道。
眺望
★☆☆☆☆ 山頂でわずかに得られるのみ。 林の中での行動。
技術
★★★☆☆ 稜線に乗るまでは慎重に行動を。
繁閑
★☆☆☆☆ マイナーコースであるが花の季節に山頂は混む。
総合
★★☆☆☆ 短コースながらもアクの強い薮道が続く。
山が浅いからといってゆめゆめ油断せぬように。
かねてより気になっていた南米沢峠の南西にある家屋(旧地形図では鳥居マーク)を調査しに御春山へ行ってきました。
また、南米沢峠から南米沢の集落への道も歩いたことがなかったのでそちらも様子を見に行くということで、短いながらも冒険に満ちた山行を計画してみました。
11:50 南米沢地区起点は南米沢地区から。
大野貯水池をなぞるように北へ向かうと犬目地区と南米沢を案内する標識が現れるので橋を渡って南米沢地区へ。道が狭くなりますが直進し突き当たり少し手前で右に折れます。
道なりに左折すると畑地から南に踏み入る道が続く道路のふくらみのような場所に出ます。
ここから入るかな?と考えていたら右手に神社が見えていました。畑作業をしていた方に神社からの登山道はあるかと訪ねたらおそらくもうないとのこと。昔はあったようなニュアンスなので期待できそうです。
ちなみに写真正面の道は荒れて使えないとのこと。
神社の裏には山道ありの法則を信じて畦道を歩きます。
11:53 産護神社
遠くに見えた鳥居は歩いてみると意外と近く。
なんだか子宝に恵まれそうな名前の神社です、
ちなみにこの神社は地形図には表記されておらず、GoogleMapsにはしっかりと名前まで記されていました。
国土地理院としては山中の社といった認識なのでしょうか?
神社の奥には墓地が広がっていますがそこから山に入れそうな感じはなし。代わりに西へ続く割合はっきりした草道がありました。
ニリンソウ
これ確か山菜として美味しいんですよね。
しばらく山を迂回するように道は延び、開けた林の中に出ます。
道らしい道はここで消滅してしまいますが、わずかに残る足跡を辿って南に踏み込みます。
何かの遺構?炭焼き釜ではなさそうです。
チゴユリ
そこから足跡は乱れ、山腹を巻くには頼りなくなったので右手に立つ日留野地区へ伸びる尾根に乗りますが、相当な薮に阻まれます。
ぎりぎり分かる程度に通れそうな踏み跡が残り、身をくぐらせるように南へと着実に進みます。
12:13 社余りに薮が苦しいので東側を巻いて進んでいると木祠が現れます。地形図から推測すると南米沢から延びる破線がと尾根が合流する430m圏付近です。
消滅したと思っていた踏み跡は正確にこの祠へ到達していることからかなり詳しい人が歩いているのでしょう。あるいは南米沢地区の方がお参りに訪れているのか。
12:19 社その後も薮が続きます。多少無理をしてでも尾根線は外さないように慎重に歩いていると一度藪から開放される場所がありました。そこにも朽ちた社が立っていました。
恐らくここはもう訪れる人もいないのでしょう。
その先も短いですが本格的な登りに移ります。傾斜が緩むにつれてまた藪が厳しくなり苦しい状態が続きます。
12:24 社尾根にあるコブを登り終えた所に社が三つ並んでいました。どうやらここが件の場所のようです。
周囲は濃い藪に覆われて容易には近づけず、まさに神域のような趣。忘れられた山の神様。崩れた木祠がその年月を物語っています。
結局、鳥居や家屋の記号が付くほど大きな場所ではありませんでしが、朽ちながら静かに佇むその姿は一種胸のすくような感慨を与えます。これが普通に大きな社であれば今までのようなミステリアスさは維持できなかったでしょう。
昔は多く信仰を集めた社だったのか、衛星がその規模を誤認したのか。謎は謎のまま置いておくのも悪くはないでしょう。
さて、目的は果たせたけど稜線へ乗る段になって困ります。周囲が藪に覆われ全く方角が掴めません。
地図とコンパスを見てみるとどうやら社の裏手から先が稜線への最後の登りらしい。登りかどうかも分からないほど藪が濃いのです。
12:34 一般道合流自分の読図を頼りに藪に再び進入します。堅い竹に難儀するも道は徐々に登りへ変わりなんとかなりそうな雰囲気になり、突然稜線に飛び出します。
登山道分岐点からはなんと赤テープが誘導していました。
何度か訪れた際には気付かずに通過していましたがさすがにこの藪に飛び込む勇気はないですね…
登山道に乗ってしまえばあとは歩き慣れた道。
いつの間にかくっついていたナナフシの子供と遊ぶ余裕すらありました。
ここからの道は
以前歩いた記事を参考にしてください。
12:40 分岐ただし420m圏の小コブから先の杉林には注意。
左手にも一見しっかりと道が続いているように見えますが騙されずに常に右手(東側)の斜面を意識しながら歩いてください。
こちらの道も調査した方がいいかもしれませんね。
12:43 南米沢峠わずかで南米沢峠へ到着。
まずは山頂を踏んでおくためにも社の後方へ伸びる道に。
南米沢峠から北側も少々薮っぽくはありますがさっきのに比べればかわいいもんです。
12:50 社山頂への道中に現れる社。
今回の短い山行中に5か所も設置されていて、そのどれもが南米沢方面を向いています。
12:53 御春山(463.8m)山頂難なく山頂へ到着。比較的明るい山頂にはツツジが咲き、やっとひとごこちついたという気分になりました。
相変わらずひらひらと蝶の舞うのどかなピークです。
12:59 南米沢峠再び南米沢峠へ戻り、北北西に延びる最もしっかりした道に進みます。
イカリソウ
初めて踏み込む道ですが全く心配なく歩ける道です。
恐らく綱之上御前山~御春山を通して最も歩きやすい道といえるのではないでしょうか。
13:06 廃屋しばらく進むと開けた場所に廃屋が現れぎょっとします。
左手に回り込むと登山口はあと少し。
13:08 南米沢地区入山口一時間と少しで下山。
結構苦労したつもりが思ったより時間はかかりませんでした。
それもそのはず、水平距離4km、高度差100m少ししか歩いてないとのこと。ともあれ、峠からの道は極めてよく踏まれています。
あとは道なりに南米沢の集落へ戻るだけ。
集落まで一本道でスタート地点の目と鼻の先に辿りつけます。
写真奥の白い石垣が登山口になります。
長年気になっていた地形図の謎がいくつか解けました。
・南米沢地区から破線は実際には廃道になっている
・南米沢地区南西にある尾根上の家屋は存在しない
酷い薮だったに関わらずなかなか充実しました。
やっぱりマイナーコースは妙なアドレナリンが出てしまいます。