高岩(たかいわ) 880m
・ 焼室山(やきむろやま) 804m
・ 高取山(たかとりやま) 781m
・ サイマル山(さいまるやま) 750m
◆歩行時間:2時間45分(休憩10分 / うち車道歩き30分)
◆1/25000地形図:都留
◆歩行距離:7.8km(GPS調べ)
◆交通:バス : 富士急山梨バス 曽雌東停留所
乗合 : 富士急山梨ハイヤー 神門停留所
◆行程
一部バリエーション
林道菅野盛里線終点(山梨リニア車両基地) ~ 雛鶴峠 ~ 高岩山頂 ~ 焼室山山頂 ~ 高取山山頂 ~ 766.5m三角点 ~ サイマル山山頂 ~ 旭小学校 ~ 県道35号線 ~ 朝日曽雌地区 八坂大神 五社大神
体力
★★☆☆☆ 藪や急坂にやや難あり。
眺望
★★☆☆☆ 送電鉄塔の周囲は開けている。
技術
★★★☆☆ 要所でルートファインディングが必要となる。
繁閑
★☆☆☆☆ 寂峰だが猟期には銃を担いだ人がちらほら。
総合
★☆☆☆☆ マニア向けの静かな山。
山としては浅いが違った尾根に入り込みやすいので、
要所要所で地図を開いて地形を確認したい。
この日は道志口から赤鞍ヶ岳へ登り、都留へと縦走をして芭蕉月待ちの湯へ、そこからループで戻ってくるという念願のコースを歩く予定で早起きを決意。道志口から歩き始めるまでは良かったのですが、崩れた谷あいの道と濃い霧で道迷いをしてしまいました。
4時間ほど歩いて降りてきてから地形図を読んでみると一切のピークも踏んでいなかったので記事にもできないと思い、ちょうど向かい手に今後歩く予定だった山が見えていたので向かってみることに。
11:14 林道菅野盛里線終点歩いてきた林道終点。
朝日曽雌の東、山梨リニアの車両基地の向かい側にあります。
青みを帯びた石仏が林道終点に。
都留へ抜ける人の安全をさりげなく見守っています。
リニア基地は年中工事のような事を行っています。
運が良ければ車両が見られるかもしれません。
車両基地の脇にある細い車道からへ雛鶴峠へ向かいます。
見上げると岩壁のあるピークが。恐らくそこが
高岩ですが登っている時は全く気付きませんでした。ふもとから見て付けられた名前である事がよくわかります。
車両は通行禁止。というのもこの先の旧雛鶴トンネルは閉鎖されているためです。先の道も若干荒れ気味に。
11:27 取り付き点そのまま旧雛鶴トンネルまで歩き、適当な斜面からよじ登るつもりが左手に現れたいかにもな登山道に出くわしました。
当初は荒れているものの、すぐに道は良くなります。目指す雛鶴峠までの道中、
日向舟から合わせる尾根もよく見て取れました。
11:40 雛鶴峠間もなく雛鶴峠へ到着。
来た方向の指示板は取り外されていて廃道になったことを示していますが実際には安全に歩けます。
ここからは一般道。高畑山方面へ。
11:49 東京電力都留線 109号鉄塔暗い植林の中を抜けるとすぐに開けた鉄塔のお膝下に。
続けて高畑山方面へ足を向け、再度暗い植林の中へ。
小さなアップダウンを繰り返すうち、登山道に露岩が混じるようになります。
左手が開けてくれば今回の最高峰はあとわずか。
11:58 高岩(880m)山頂ひと登りで高岩山頂。
下から見た時とは違い山頂は立木に囲まれて薮山めいています。
ここからがバリエーションの開始。
山頂標のついた木を回り込まず北西の細い道へ進みます。硬い木が進行の妨げになり非常に歩きづらいです。
12:15 焼室山(804m)山頂一部不明瞭な尾根も鞍部を越えれば割とはっきりした道に変わり、ひと登りで804m点圏峰へ。
焼室山と山頂標があるはずでしたが無くなってしまっていました。その代わりに人為的な切り欠きが木の幹に認められます。それ以外は特徴の薄い藪山山頂。
焼室山頂からは地形図をよく読み南西に転じます。踏み跡が薄く、道も細いためよく目をこらさないと別の尾根に乗りこんでしまいます。
しばらく歩くとまた道は良くなります。
12:28 東京電力都留線 104号鉄塔なだらかな尾根上からは送電鉄塔が見えますが、喜んで下りていくとそのまま南へ下山してしまうルートに乗ってしまいます。
さらに先に歩くためには西側の少し荒れた道を選択する必要があります。
どうもこの鉄塔巡視路は他のよく整備された巡視道に比べて見劣りがします。
個別の山の尾根道はしっかりしているんですが・・・。
12:35 高取山(781m)山頂高圧線の下を通り、再び登り直した先が高取山。
以前はちゃんとした登山道のひとつだったんでしょうか、白杭に山名が書かれていて、心なしか山頂付近の木々も背が低いような気がします。
高取山頂からは北西に転じます。
緩やかだったこれまでの薮道とは違い、少し傾斜のついた下りになり苦労されられます。岩場も少し出て来るため注意が必要。
12:44 東京電力都留線 102号鉄塔下りきると送電鉄塔の足元に出ます。
鞍部付近は小沢峠(大平峠)と呼ばれているそうですが、ここも私標などが無くなってしまっていました。北には大平地区からのものと思われる踏み跡あり。
そこから先は道も安定していました。
猟期なのか鉄砲を担いだ人や無線を持って連絡を取り合っている人達と何度かすれ違いました。その時交わした話によるとこの先に2本続けて鉄塔が立っていて、そこから北に抜けるよい道があるとのこと。
エスケープルートには使えそうですね。
12:51 東京電力都留線 101号鉄塔ほどなく次の送電鉄塔へ。
12:54 東京電力都留線 100号鉄塔さらに西へ進むともうひとつ鉄塔が立っていました。これが例の2本続けての鉄塔のようです。
766.5m三角点尾根西側には三角点、鉄塔の裏手にはピークとみられる丘がありますが、ここは山頂としては数えられていないようです。
西に景色よし。
13:04 サイマル山(750m)山頂先ほどの猟師さんのアドバイスで訊いた北への巡視路ではなく、西へ道なりに低く登り返すとまた立木に囲まれたピークに到着します。ここが今回最後のサイマル山頂。
山頂標が付いていました。
想像力をかきたてる不思議な山名です。
サイマル山からは北に転じます。
実はそのまま西の尾根に下りようと思っていたのですが、若干不明瞭なのと、山頂から偵察したところ木がよく茂っていて暗かったため立ち枯れの多い方を選択しました。
そのおかげで見通しは良いのですが傾斜がかなり急です。
このように岩場も出てきて、手のサポートがなければ下りるのは難しくなります。
13:28 東京電力都留線 98号鉄塔急傾斜を処理していくと突然、足元に伐採地、送電鉄塔が現れます。
道が途切れてしまうので歩きづらい伐採地を強引に下り、有刺鉄線のフェンスで囲われた鉄塔の真下へ。
鉄塔の北側にはしっかりした巡視路が延びているのでこれを利用し下山します。
13:32 東京電力都留線 97号鉄塔巡視路上にもう一本鉄塔。
今回は鉄塔だらけです。
山あいに沿って踏み跡は続きます。
北側の車道に出られる分岐もありますが、あえて山中に留まります。
だんだん家屋と山の距離が近づき、右手には用水路が通るなど里山的な雰囲気になってきます。
集落に出る機会を逃しながら獣害防止用のフェンスに沿って西へ西へと流されてゆきますが、明るいのでさほど危険は感じませんでした。
13:42 旭小学校前尾根の西端まで到達すると向かい手には小学校があり、なんとはなしに踏み跡も見受けられたのでここで山中行動は終了。
取り付き点としては曖昧ですがこちらからも登ることはできそうです。
山を回り込み神門地区を抜けて朝日曽雌地区へ戻ります。
朝日曽雌地区以西からは富士急山梨バスは廃止され、富士急山梨ハイヤーと言う乗合タクシーの停留所に変わってしまっています。
この辺りの山へのアプローチが一段と悪くなってしまいました、と思ったのですが元々運行本数が少なかったのでハイカーにはあまり影響はないのかもしれません。元から静かな山ですしね。
13:59 八坂大神 五社大神県道35号線を西へ、朝日曽雌地区中央にある神社へ戻ってきて今回の行動は終了。綺麗に塗られたお社を見ていると歩いてきた山の方から何度か猟銃の音が響きます。早いとこ下りてきて良かった・・・。
薮さえ億劫でなければルートファインディングの練習にはよい山でした。