▲大室山(おおむろやま) 1587.6m
▲ 加入道山(かにゅうどうやま) 1418.4m
◆歩行時間:時間分(休憩分)
◆1/25000地形図:大室山
◆最寄駅:-
◆行程 一般道
久保吊り橋 ~ 久保-大渡分岐 ~ 1131m点 ~ 大室山 ~ 犬越峠分岐 ~ 前大室 ~ 加入道避難小屋 ~ 加入道山 ~ 道志分岐 ~ 道志の湯登山口 ~ 道志の湯 ~ 久保吊り橋
体力
★★★★☆ 延々とした登りがつらい。
眺望
★★☆☆☆ 両山とも眺望はいまひとつ。
技術
★★☆☆☆ 前半に少し道がわかりにくい程度。
繁閑
★★☆☆☆ 道志の湯方面からのアクセス良好。
総合
★★★☆☆ 眺望はあまり期待できないが歩きごたえのあるコース。
ブナの原生林を楽しみながらゆっくりと登りたい。
丹沢の主稜線をなす大室山。
近場のどの山に登っても目立つ独立峰と見間違わんばかりの特異な山稜は印象的だった。
アプローチが遠いのと、登山口から比較的長い距離を歩かなければいけないのを敬遠していたんだけど、いずれ避けては通れぬ山と思いちょっと気合いを入れて登ることに。
三時に起きてうだうだしたりご飯食べたりして原付ぶんぶんで登山口。
朝三時ですよ三時。
「登山する人って朝早いんでしょ?」
「うん」
「何時くらいなの?5時とか?」
「3時」
「えっ」
「3時」
「あぁっ・・・ああ・・・ぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁあああああ!!」(椅子からずり落ちる
まぁとにかく登山口です。
5:48 久保吊り橋道志みち(国道431号線)を西進した先にある、『つりばし前直売場』。
ここで準備を整えて登山開始。
「
山頂までは3時間半」の標記が。まじかよ・・・。
揺れる吊り橋を走ったり歩いたり渡ったり内股でへたり込んだりする本日最初にして最大のハイライト。
正面には大室山への尾根筋がくっきりと。
ジェットコースターの最初の登りみたいで早くもげんなり。
さて、正面はいいとして、足元は、
怖い。
吊り橋が揺れすぎて恐ろしいのです。
大室山登山口吊り橋を渡った先は整備された綺麗な道が南西へ続きます。
普段は藪道ばっかり歩いてるけど、こういう人の手が入った感じの登山道はそれはそれで安心して歩けるからいい。特に人がいないと気楽でいいですね。
ベンチを越え、登山道を歩きます。
一般道だけど広い尾根で、ところどころ道が不明瞭になっているので注意。
基本的には上へ上へと登れば問題ないけど、迷ったら赤テープが随所で誘導しているので視線を高い所へ持って歩きたいところです。
しばらく歩けば道も安定してきて登りやすくなってきます(傾斜はきついままですが)。
さて、整備されてるとは言えここから先は3時間半(コースタイム上)。
水平距離3km、垂直距離1000mの急坂が延々と続く我慢のコースです。
3時間半って・・・
地図上でわかっちゃいたけど登山口からテンションだだ下がりです。しかしながら登り始めたからには義務感で汗をかくこの行為に誰が同調してくれようか・・・。
1時間も登っているとだんだんと飽きてきます。
山登りをしている時は大体地面ばっかり見ていますが、 たまには上も見てみよう。
あ、まだずっと登りだ。
そんな感じで辛い山道が続きます。
そのうちとりとめのない考え事も尽きてきて好きな音楽のフレーズばっかりループしたり。陸上部のマラソン選手って走ってる時何考えてるんでしょう、なんてどうでもいいことも頭に去来します。
僕と違ってちゃんとタイムとか体調とか道の状況とかをシステマティックに計算し、自己の最適化を測りながら走るんでしょうか、それとも音楽ばっかり頭の中で流れてるんでしょうか。
何を考えながら走ってるんでしょう。
何を目標に走ってるんだろう。
そう思うと自分のやってる登山なんて自分が好き勝手やってるお遊びみたいなもんなんだなって申し訳ないような気持ちになってきたりするネガティブ登山。
いけないいけない。
そうこうしてるうちに1000mを超えて明るいブナの原生林<が広がってきます。
空も近づいてきて明るい林の中を歩きます。
まだまだ延々と登りですが。
1時間ごとに休憩する予定で歩いてるのに坂ばっかりなもんだから30分も経たないうちに膝に手を突いて息も絶え絶え。
登山つらいなぁ、もう引き返そうかなぁとか弱気になってきたりしたり。
気ぃ早すぎだろ・・・
そのうち意気込んで早起きしてきた事すら後悔したり、ぜいぜい言ってる自分の体力のなさに落胆したり、果ては
自分は登山には向いてないんじゃないかって思いだしたり。
登りはだいたいいつもそう。
写真撮ってる時とか林の先に空が見えた瞬間だけはそういう事を忘れてる。
道中、ツツジが咲いてたりして、1000m圏の気温差というものを感じました。
原生林といい、ツツジといい、割合高い所まで登ってきてるんだなぁという実感を感じつつも
登りがつらい。ほんと登りっぱなしってしんどいよ。
一人だとなかなかペース配分が難しいところ。
こういうのは本人の性格にもよると思うけど、やっぱりそんな所も含めて一人登山にも向いてないんじゃないかとうじうじ登山。
高度を上げて進むにつれ足元にバイケイソウやトリカブトが広がるようになり、道がまたも不明瞭に。
山頂はもうすぐなので草を踏まないようにとにかく上へ歩く。
7:40 大室山(1587.6m)山頂ぜいぜい歩いてると意外と早く山頂に到達!
3時間半予定が2時間足らずで山頂を踏めた。
なんだよ自分やるじゃん!アルピニストじゃん捨てたもんじゃないよヒャッホウ!
重たいリュックも放り出してへるにゃん山頂でブリッジキめちゃう!
月並みに単純な爽快感がやっぱり気持ちいいんです(ブリッジ
このために登山やってんだなぁって言うほどじゃないけど、無意識に張り詰めてたものが解放されて、ずっと麓に残ってた気持ちも加速度的に山頂に引っ張り上げられてプラスマイナス0の重荷が下りた感じ。日本語おかしい。
それくらい山頂に登りきった時の脳内麻薬。
ちなみに山頂からの眺めは林に覆われて一切無し。
わかっちゃいたけど苦労して登ったからには開けた景色も見てみたいな。
山頂をうろうろしてると
桜の花がひとつだけ残ってました。
来年、5月の下旬に来たら満開なのかな?
とにもかくにも今日一番の収穫、登りの疲れもなんのその。
単純だねえ!
ここから先は1500m付近の稜線歩き。風が涼しくて気持ちいい。
道も綺麗に整備されているので迷う心配もなし。
7:50 犬越峠分岐山頂からすこしで犬越峠への分岐に到着。
山頂では休まずにここの分岐で休憩。
ベンチもあるし、適度な広さ。
山頂が混んでる時の休憩場所にはぴったりです。
分岐からは希少植物(バイケイソウ)を保護するための尾瀬みたいな歩行路。
非日常感がうれしくてつい小走りするけど結構滑りやすいので注意。
木道を過ぎた後は目線にはツツジ、足元にはバイケイソウが鮮やかなよく整備されている道を進む。
大室山山頂以降、登攀に使った道とは打って変わって歩きやすい。
道なりに西進が続く。
谷間を抜ける時に眺望がちょっとだけあったので。
快晴時は富士山や箱根が一望できるらしい。まぁこればっかりはね。
整備された道を小走りで。
一気に100mほど下って小さなアップダウンを繰り返す。
こうなると自分のペース!
時折現れる木製の階段で転ばないように。
破風口への急坂。
ここを下りきるとまた僅かな登り返し。
8:29 前大室(1420m)鞍部からの登りも僅かで前大室に到着。
眺望もない小広いピークなので記録をとってすぐに加入道山へ。
前大室の情報は仕入れてこなかったけど、地形図を見てみるとここから北に下るコースもあるらしい。エスケープルートにしては少々長い。
退避路のとり難さも不人気に影響しているのかも。
8:40 加入道避難小屋なだらかな道がしばらく続き、そろそろ加入道山かな、と思う坂道に差し掛かったあたりで南に避難小屋を案内する看板が。
5mほど下った場所に小屋がありました。
道志方面を大縦走、なんて事があれば使う機会があるかな?
8:41 加入道山(1418.4m)山頂山頂は避難小屋の目と鼻の先。
あ、ついた。って感じのあっけない到着。
結論。大室山からの稜線歩きは
非常に快適。
稜線に乗っちゃえばあとは楽しいトレッキングが待ってるってシチュエーションは高山のよう。
山頂にはベンチもあるので小休止。
ここも樹林に囲まれて残念ながら眺望はなし。
大室山、加入道山は登山意欲がそそられる山容なのにあまり人気が無いのはアプローチの悪さに加えて、山頂の眺望が期待できないということも理由の一つなのかもしれない。
山頂で写真撮るのに気を使わなくて良かったりするけど、良い山だけにちょっとさみしい。
8:53 道志分岐加入道山からは白石峠へ向かって南へ転進。
すぐに道志の湯方面への分岐が現れる。
こっから先は高度差700mを延々と下降。
崖があったり沢に当たったりで下りは登りよりも楽しい。
移動速度からしても変化が多いし、足の置き場にも気を使って一歩一歩慎重に、なおかつ瞬間的に処理していかなきゃいけないのが忙しくも楽しい。
登りは基本的に
耐久戦で下りは
スポーツ感覚かな。
分岐からの下りは一般道を利用しているので基本的には道は良いものの、いくつか
崩壊している部分があるので注意。
特に下りに使う際は勢い余って滑落しないように。
わざわざロープが張ってある場所も崩落のせいか、足元にロープがあったりするので引っ掛けて転ばないかも心配。
谷間を縫うように歩く。
崩壊地にさえ注意していれば、あとは安全な歩行路。
次第に沢の音が大きくなってきて下ってきた実感も湧いてくる。
9:15 東屋沢の音に導かれて下っていくと立派なあずまやが現れます。
疲れてないので写真だけ撮って先へ進みます。
近くに沢へ下りる道もあって、登りの時は休憩や補給なんかで重宝しそう。
鹿よけの柵付き通路。
かわいいというか、童心に返れるようなほっこりするデザイン。
スプリング式で押すと元の位置に戻ります。
でもこれ動物が強行突破も可能だよな・・・
沢沿いを離れて明るい小径へ。
山道というよりは里を歩いているみたいなのどかさ。
また沢へと合流。
水が冷たくて気持ちいい!
9:31 道志の湯前登山口下り始めて30分ちょっとで登山口に到着。
9:40 道志の湯登山客用(!)の駐車場を左手に見て北へしばらく歩くと道志の湯があります。
従業員の人がいたので写真は撮れずじまい。
営業時間前だったからお風呂にも入れずじまい(´;ω;`)
道志の湯は静かに楽しめるらしいので今度は時間を合わせて行きたいところ。
9:50 国道431号線道志川を渡って国道へ。ここから最初のスタート地点まで長い長い車道歩き。
登った山々を見ながら今日の行程に思いを馳せたり馳せなかったり。
とにかく歩かなきゃ。
10:52 久保吊り橋登山口国道に出て歩くこと1時間。
スタート地点の久保吊り橋に到着!疲れた。
基本的にずっと下りだったからよかったものの、逆方向の登山だったら登りっぱなしに・・・。
たまたま立てた時計回りの計画は間違ってなかったみたい。
逆に、上り下りが逆転した方が山中は楽だったのかも。
とにもかくにも大室山、登山成功!
山の雰囲気は掴めたから今度はバリエーションにも挑戦してみたい。